こんにちは。カン・チャヨンです。
本日は、MRSA菌感染による拘縮鼻の矯正手術症例をご紹介いたします。
この症例は3回目の再手術となる患者様で、過去に小鼻縮小手術と人中短縮手術を2回受けられた方です。
2回目の手術後、抜糸前に継続して鼻腔内粘膜に高温多湿の水蒸気を吸い込んだことで縫合部の粘膜に部分的な壊死が生じ、その傷口からMRSA菌が感染を引き起こして急性炎症が発生しました。
炎症治療のために鼻筋のプロテーゼ除去と鼻先軟骨の部分除去を行い、積極的な抗生剤治療を受けられました。その後、幹細胞注射治療を3回受け、自家肋軟骨を用いて手術を行われた方です。
1. 術前デザインカウンセリング
患者様の術前の状態を詳しく分析してみます:
正面:
- 鼻全体が横に広がっている
- 鼻孔の非対称が目立つ
- 鼻筋が曲がって見える
側面:
- 鼻先が垂れ下がって見える
- 鼻唇角(鼻先と唇の角度)が大きい
- 2回の人中短縮手術により、鼻柱から人中へとつながる部分が非常に不自然
斜め側面:
- 鼻先が垂れ下がって見える
- 鼻柱が下がって見える
鼻孔:
- 鼻柱に過去のオープン手術による傷跡が非常に目立つ
- 左側の鼻孔がつぶれており、鼻孔の非対称が観察される
患者様のご要望:
1. 広がった鼻の矯正
2. 垂れ下がった鼻の矯正
3. 丸い鼻の矯正
4. 斜鼻矯正
5. 鼻孔の非対称矯正
2. 手術計画
患者様の状態とご要望を考慮し、以下のような手術計画を立てました:
a) 鼻腔内軟骨状態の確認および必要に応じた軟骨再建手術
b) 自家肋軟骨を用いた鼻中隔延長術(垂れ下がった丸い鼻先の矯正)
c) 外側骨切り術と自家肋軟骨を用いた隆鼻術(広がって曲がった鼻筋の矯正)
d) 鼻翼の状態確認および必要に応じた鼻翼軟骨再建手術
e) 鼻翼軟骨の再配置と軟骨縛り(鼻孔の非対称矯正)
f) 鼻柱下部を鼻中隔軟骨に固定する鼻唇角矯正
3. 手術内容
クローズ法(非開放式)アプローチにより、以下の手術を行いました:
a) 鼻中隔再建手術:
- 重度の炎症により鼻先の鼻中隔軟骨と過去に使用されていた自家肋軟骨が大きく吸収され、ほとんど残っていなかったため、自家肋軟骨を用いて鼻中隔を再建しました。
b) 鼻骨外側骨切り術:
- 広がって曲がって見える鼻骨を矯正するため、外側骨切り術を施行しました。
c) 鼻翼軟骨の再建および矯正:
- 損傷していた左側の鼻翼軟骨を修復し、右側の軟骨と対称になるよう再建しました。
- 鼻翼軟骨を再配置して縛ることで、鼻孔の非対称を改善しました。
d) 鼻中隔延長術:
- 自家肋軟骨を用いて鼻中隔を延長し、鼻先を支持して垂れ下がった鼻を矯正しました。
e) 鼻筋の隆鼻術:
- 自家肋軟骨を用いて鼻筋を高くし、曲がっていた部分を矯正しました。
f) 鼻唇角矯正:
- 鼻柱下部を鼻中隔軟骨に固定し、鼻唇角を自然な角度に整えました。
すべての処置をクローズ法(非開放式)アプローチで行ったため、外側に傷跡を残さず手術を完了しました。
4. ビフォーアフター写真の比較
術直後0日目の写真を比較すると、以下のような改善点を確認できます:術直後の写真は腫れが残っている状態のため、最終結果とは異なる場合があります。
正面:
- 広がって曲がって見えていた鼻筋が自然にまっすぐ整いました。
- 鼻孔の非対称が大幅に改善されました。
- 鼻全体の輪郭がより洗練され、バランスの取れた姿に変化しました。
側面:
- 垂れ下がって短く見えていた鼻先が、まっすぐな直線ラインの自然な姿に改善されました。
- 鼻唇角が適切に調整され、鼻と唇の調和が向上しました。
- 人中短縮手術による不自然さが大きく改善されました。
斜め側面:
- 垂れ下がって丸く見えていた鼻先が、洗練された姿に改善されました。
- 鼻全体のラインが滑らかで自然になりました。
鼻孔:
- つぶれていた左側の鼻孔が、右側と近い形へと改善されました。
- 鼻孔の非対称が大きく改善されました。
- 鼻柱にひどく目立っていた過去のオープン手術の傷跡が大きく目立たなくなりました。
5. 術直後0日目写真一覧術直後の写真は腫れが残っている状態のため、最終結果とは異なる場合があります。
6. 総評
このような症例は、MRSA菌感染による拘縮鼻矯正の複雑さと難しさを如実に示す一例です。MRSA菌による感染は抗生剤への耐性があるため治療が非常に難しく、これに伴う拘縮は鼻整形手術において極めて難度の高い矯正対象の一つです。
こちらの患者様の場合、重度の炎症により既存の軟骨構造が大きく損傷した状態でした。このような状況において、自家肋軟骨を用いた鼻中隔再建と延長術は、鼻の構造的安定性を確保し、美容的改善を達成する上で極めて重要な役割を果たしました。
また、鼻孔の非対称矯正のために損傷した鼻翼軟骨を再建・再配置したことは、鼻全体のバランスと対称性を改善する上で重要でした。外側骨切り術による鼻骨矯正は、広がって曲がった鼻筋をまっすぐに整えるのに効果的でした。
今回の手術で特に注目すべき点は、クローズ法(非開放式)のアプローチを通じてこのような複雑な再建手術を行った点です。これにより、新たな傷跡を作ることなく手術を完了でき、患者様のダウンタイムを短縮することにもつながりました。
7. おわりに
MRSA菌感染による拘縮鼻でお悩みの方々にとって、本症例が一つの希望となれば幸いです。術後に起こりうる急性炎症反応のうち、MRSA菌による感染は徹底して予防しなければならず、万が一感染が発生した際には正確な菌の同定と感受性検査を経て、最も適した抗生剤を投与し正確に炎症治療を行う必要があります。この点が最も重要です。
拘縮鼻の矯正は非常に複雑で難度の高い手術ですが、適切な手術計画と技術により、ご満足いただける結果を目指すことができます。特にこのような複雑な再手術の場合、豊富な経験と専門性を備えた医師の選択が極めて重要となります。
耳鼻咽喉科専門医としての解剖学的知識と豊富な手術経験に基づき、患者様お一人おひとりに適した手術計画をご提案しております。また、クローズ法(非開放式)のアプローチにより、複雑な再建手術であっても新たな傷跡を残さずに行う技術力を整えております。
鼻整形、とりわけ拘縮鼻の矯正でお悩みの方は、専門医とのカウンセリングを通じてご自身に最も適した方法を見つけてみてください。ノーズラボ医院は皆様の美しく健康な鼻のために、常に最善を尽くしてまいります。
ありがとうございます。
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限界と副作用
自家肋軟骨を使用する場合、肋軟骨を採取した部位に傷跡や痛みが残ることがあり、稀に胸膜損傷が生じる場合があります。また、移植した軟骨が時間の経過とともに曲がったり、一部吸収されたりする可能性があります。
プロテーゼを除去して再手術を行う場合、除去後に拘縮が再び進行したり、鼻の高さや長さが短くなったりすることがあり、皮膚の状態によっては段階的な手術が必要となる場合があります。
鼻中隔を同時に矯正する場合、鼻づまりが残存または再発する可能性があり、稀に鼻中隔穿孔や嗅覚の変化が生じる場合があります。
共通のリスクとして、感染、出血、非対称、傷跡、皮膚壊死、改善効果の不足などが生じる可能性があり、結果には個人の皮膚状態や過去の手術歴による個人差があります。