こんにちは。カン・チャヨンです。
本日は、度重なる鼻整形手術の後に生じた拘縮変形や短く吊り上がった形状など、複合的な問題を抱えた男性患者様の症例をご紹介いたします。
この症例を通じて、拘縮変形矯正の難しさとその解決方法について詳しく見ていきます。
1. 患者様の履歴
このようなタイプの方は、以下のような経歴をお持ちでした:
1. 2017年:鼻中隔 + シリコン
2. 2020年:シリコン + 自家肋軟骨移植
3. 2023年12月:シリコン + 新たな自家肋軟骨採取
- 3か月後に鼻先が赤く風船のように腫れ上がり切開
4. 当日洗浄(irrigation) + プロテーゼ除去
2. 患者様のご要望
- 鼻づまりの矯正(食べ物の味が感じられない時もある)
- 鼻の再建
- 直線ライン
- すっきりとした印象
3. デザインカウンセリング
患者様の状態を詳しく分析していきます:
正面:
- 吊り上がっている
- 鼻孔の非対称が顕著である
- 鼻孔が目立つ
- 鼻筋が広がって曲がって見え、平坦である
斜め側面:
- 短く垂れ下がって見える
側面:
- 押しつぶされて見える
- 口元の突出所見
- 全体的に短く見える
鼻孔:
- 陥没した傷跡が見える
- 鼻孔の非対称が顕著である
- 鼻柱の右側に瘢痕組織が飛び出している
4. 手術計画
このような複合的な問題を解決するため、以下のような計画を立てました:
a) 幹細胞注射治療:
- 2週間の間隔で5回実施
- 当日に6回目の幹細胞注射治療を実施
b) 自家肋軟骨採取:
- 以前に右側から2回採取しているため、今回は左側から採取
c) 鼻中隔軟骨の再建および矯正:
- 自家肋軟骨を用いて鼻中隔軟骨を再建
- 鼻づまり改善のため、右側に偏位した鼻中隔を真っ直ぐに矯正
d) 鼻孔矯正:
- 鼻孔縁下降術による鼻孔の非対称改善
e) 鼻先矯正:
- 自家肋軟骨を用いた鼻中隔延長術で吊り上がった部分を下げる
- 鼻柱を自然に下げて鼻唇角を矯正(口元の突出感の改善効果)
f) 鼻筋矯正:
- シリコンプロテーゼを使用して自然な直線ラインの鼻筋を形成
- 正面から広がって見え、曲がって見えていた印象を矯正
g) 鼻先の傷跡改善:
- 皮膚下への真皮および軟骨移植による陥没した傷跡の改善
5. 手術内容
クローズ法(非開放式)アプローチにて次のように進めました:
a) 幹細胞注射治療:
- 事前5回の幹細胞注射治療を通じて組織の再生と回復を促進しました。
- 手術当日に6回目の幹細胞注射治療を行い、術後の回復を促して再拘縮のリスクを抑えました。
b) 自家肋軟骨採取:
- 左側から十分な量の自家肋軟骨を採取しました。
- これは鼻中隔の再建、鼻先、鼻唇角の矯正などに使用されました。
c) 鼻中隔軟骨の再建および形成術:
- 採取した自家肋軟骨を用いて、損傷していた鼻中隔軟骨を再建しました。
- 右側に偏位していた鼻中隔を真っ直ぐに整え、鼻づまりの解消と構造的な安定性を確保しました。
d) 鼻孔縁下降術:
- 鼻孔縁下降術により、吊り上がっていた鼻孔を下げて左右非対称を改善しました。
e) 鼻先:
- 自家肋軟骨を用いた鼻中隔延長術を行い、吊り上がっていた部分を自然に下げました。
- 鼻柱を適切に下げて鼻唇角を矯正し、これにより口元の突出感を和らげる効果を得ました。
f) 鼻筋:
- シリコンプロテーゼを使用して自然な直線ラインの鼻筋を形成しました。
- 正面から広がって見え、曲がって見えていた印象を矯正し、すっきりと真っ直ぐなラインを作りました。
g) 鼻先の傷跡改善:
- 陥没していた鼻先の傷跡部分に皮膚下から真皮と軟骨を移植し、表面をなめらかに整えました。
すべての工程をクローズ法(非開放式)のアプローチで行い、外側に傷跡を残さず完了しました。
6. ビフォーアフター写真の比較
術直後0日目の写真を比較すると、以下のような改善点を確認できます:術直後の写真は腫れが残っている状態のため、最終結果とは異なる場合があります。
正面:
- 吊り上がっていた鼻先が自然に下がり、鼻孔が見えにくくなりました。
- 鼻孔の左右非対称が改善されました。
- 広がって曲がって見えていた鼻筋が、すっきりと真っ直ぐになりました。
斜め側面:
- 短く垂れ下がって見えていた印象が、適切な長さを取り戻して引き上がり、全体のバランスが整いました。
- 全体的なラインがなめらかで自然になりました。
側面:
- 押しつぶされて見えていた鼻先が適切に高くなり、全体の高さが改善されました。
- 口元の突出感が緩和され、顔全体のバランスが良くなりました。
- 長さが適切に伸び、バランスの取れた形になりました。
鼻孔:
- 鼻先の陥没した傷跡が改善され、なめらかな表面になりました。
- 鼻孔の非対称が大きく改善されました。
- 鼻柱の右側に飛び出ていた瘢痕組織が矯正されました。
7. 術直後写真まとめ
8. 総評
このようなケースは、度重なる鼻整形手術の後に生じた複合的な問題を解決した難易度の高い症例です。特に注目すべき点は、手術前に幹細胞注射治療を並行して行ったことです。これにより組織の再生と回復が促進され、術後の再拘縮の可能性を抑える上で大きな助けとなりました。
自家肋軟骨の使用は今回の手術の中核でした。拘縮鼻では術後に再拘縮を起こそうとする強い収縮力が働くため、それに耐えうる頑丈な構造物が必要です。自家肋軟骨は十分な強度と量を確保できる上、拒絶反応のリスクがないため理想的な選択肢でした。
鼻中隔再建、鼻先形成、鼻唇角矯正など複数の術式を複合的に適用することで、患者様の多様なご要望にお応えすることができました。特に鼻づまりの問題を解決するために鼻中隔形成術を同時に進めたことは、美容的な改善のみならず機能的な改善も成し遂げた良い例です。
9. 結びの言葉
拘縮鼻、アップノーズ、短鼻などの複合的な問題でお悩みの方々に、このような事例が希望となれば幸いです。度重なる手術によって問題が複雑化している場合であっても、適切な計画と技術によってご満足いただける結果を得ることができます。
特に拘縮鼻の場合、術後に再拘縮を起こそうとする強い収縮力が生じるため、これに耐えうる頑丈な構造物が不可欠です。このような理由から自家肋軟骨の使用は非常に重要であり、信頼性の高い素材として広く認められています。
耳鼻咽喉科専門医としての解剖学的知識と豊富な手術経験をもとに、患者様一人ひとりに最適化された手術計画をご提案しております。鼻整形、特に再手術をご検討中の方は、専門医とのカウンセリングを通じてご自身に最も適した方法を見つけていただきたいと思います。
皆様の美しく健康的なお鼻のために、ノーズラボがお手伝いいたします。
カン・チャヨンでした。ありがとうございました。
ありがとうございます。
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限界と副作用
自家肋軟骨を使用する場合、肋軟骨を採取した部位に傷跡や痛みが残ることがあり、稀に胸膜損傷が生じる場合があります。また、移植した軟骨が時間の経過とともに曲がったり、一部吸収されたりする可能性があります。
プロテーゼを除去して再手術を行う場合、除去後に拘縮が再び進行したり、鼻の高さや長さが短くなったりすることがあり、皮膚の状態によっては段階的な手術が必要となる場合があります。
鼻中隔を同時に矯正する場合、鼻づまりが残存または再発する可能性があり、稀に鼻中隔穿孔や嗅覚の変化が生じる場合があります。
共通のリスクとして、感染、出血、非対称、傷跡、皮膚壊死、改善効果の不足などが生じる可能性があり、結果には個人の皮膚状態や過去の手術歴による個人差があります。