こんにちは。カン・チャヨンです。
本日は、特別な症例をご紹介いたします。
実に5回もの鼻手術を経て、ついに納得のいく結果を得られた患者様のお話です。
この症例を通して、鼻整形の複雑さと専門性の重要性を共にご確認いただければと思います。
1. 患者様の手術歴
このような経過は2015年から始まりました。
- 2015年:鼻フィラー施術
- 2018年:糸、寄贈肋軟骨、鼻中隔軟骨を用いた手術および鼻フィラー除去
- 2022年初頭:シリコンと自家肋軟骨を用いた手術
- 2022年(2週間後):シリコン除去
- 2022年(2か月後):肋軟骨の再使用、耳介軟骨、シリコン挿入手術
- 2023年2月:自家肋軟骨の再使用、寄贈肋軟骨、自家真皮移植、鼻翼挙上、鼻孔縁下降術
このように何度も手術を重ねたにもかかわらず、患者様は依然として鼻が上を向いて見えるというお悩みを抱えて当院を受診されました。
2. 術前の状態分析
術前に撮影した写真を詳しく分析してみます。
正面:
- 鼻孔が過度に露出している
- 鼻先が丸く横幅が広く見える
- 鼻孔の非対称が目立つ
- 鼻全体が片側に曲がって見える
側面:
- 鼻筋の開始点が高い
- 鼻柱(鼻先と唇の間の部分)が陥没している
- 鼻先がわずかに垂れ下がって見える
斜め側面:
- 鼻先が上がって見える
- 人中(鼻の下と唇の間)が長く見える
鼻孔:
- 鼻孔の左右非対称が目立つ
- 左側の鼻孔、鼻柱寄りに軟骨が突き出て見える
3. 手術計画
患者様の状態とご要望を考慮し、以下のような手術計画を立てました:
a) 自家肋軟骨を用いた鼻先再建手術
b) 鼻づまり改善のための鼻中隔矯正術
c) 高周波レーザーを用いた粘膜下下鼻甲介切除術
d) 鼻唇角矯正
e) 既存の異物除去
f) 鼻中隔延長術
4. 手術内容
クローズ法(非開放式)アプローチにより、以下の手術を行いました:
a) 自家肋軟骨の採取および移植:
- 過去の手術により鼻中隔軟骨の損傷が激しかったため、自家肋軟骨を主材料として使用しました。
- 鼻先の再建に十分な量の軟骨を確保しました。
b) 鼻中隔矯正術および鼻中隔延長術:
- 曲がっていた鼻中隔を真っ直ぐに整え、鼻づまりを改善しました。
- 鼻中隔延長術によって鼻先の支持力を高め、上を向いた印象を改善しました。
c) 下鼻甲介縮小術:
- 高周波レーザーを用いて下鼻甲介の粘膜下組織を減量し、鼻づまりを改善しました。
d) 鼻唇角矯正:
- 鼻先と人中の角度を調整し、顔全体とのバランスを改善しました。
e) 異物除去:
- 過去の手術で挿入された異物を安全に除去しました。
f) 鼻先形成:
- 丸かった鼻先を繊細に整え、自然な形態に仕上げました。
g) 鼻孔矯正:
- 非対称だった鼻孔の形態を改善しました。
- 左側の鼻孔、鼻柱寄りに突き出ていた軟骨と瘢痕組織を除去しました。
5. 術前・術後の写真比較
術直後0日目の写真を比較すると、以下のような改善点を確認できます:術直後の写真は腫れが残っている状態のため、最終結果とは異なる場合があります。
正面:
- 過度に露出していた鼻孔が自然に隠れるようになりました。
- 丸く太く見えていた鼻先が、洗練されたバランスの取れた形態へと改善されました。
- 鼻孔の非対称が大幅に改善されました。
- 曲がって見えていた鼻が真っ直ぐに矯正されました。
側面:
- 高すぎた鼻筋の開始点が自然な高さに調整されました。
- 陥没していた鼻柱が適度に満たされ、自然な曲線を描いています。
- 鼻先がすっきりと立ち上がり、横顔全体のラインが改善されました。
- 口元の突出所見が改善され、顔全体のバランスが整いました。
斜め側面:
- 上を向いて見えていた鼻先が自然に下がり、落ち着いた印象を見せています。
- 鼻に十分な立体感が生まれ、洗練された印象を与えています。
- 長く見えていた人中の長さ感が改善されました。
鼻孔:
- 目立っていた鼻孔の左右非対称が大幅に改善されました。
- 左側の鼻孔、鼻柱寄りにあった突出軟骨と瘢痕組織が除去され、すっきりとした仕上がりになっています。
6. 術直後0日写真一覧術直後の写真は腫れがある状態のため、最終結果とは異なる場合があります。
7. 総評
このような症例は、複数回の鼻整形後も満足のいく結果を得られなかった患者様の劇的な変化を示しています。複雑な手術歴をお持ちの患者様の場合、正確な問題の診断と入念な手術計画が極めて重要となります。
こちらの患者様の場合、過去の手術による鼻中隔軟骨の深刻な損傷が主な課題でした。自家肋軟骨を用いた再建手術により鼻の構造的安定性を確保し、同時に美容的な改善も果たすことができました。
鼻中隔矯正術と下鼻甲介縮小術により、鼻づまりの問題も同時に解決しました。これは、単に見た目の改善だけでなく、機能的な改善も不可欠であることを示す良い実例です。
特に今回の手術ではクローズ法(非開放式)のアプローチを採用し、新たな傷跡を作ることなく複雑な再建手術を成功裏に終えました。これは高度な技術と豊かな経験が求められる領域であり、専門性をしっかりと発揮できた事例と言えます。
8. 結びの言葉
複数回の鼻手術を経ても思わしい結果が得られずにお悩みの方々にとって、この事例が一つの希望となれば幸いです。鼻整形、とりわけ再手術においては、非常に緻密で細やかなアプローチが必要です。
患者様お一人おひとりの状態とご要望を的確に把握し、それに適した綿密な手術計画を立てることが重要です。また、美容的な改善のみならず機能的な改善も併せて考慮してこそ、真の意味での充実した鼻整形と言えます。
耳鼻咽喉科専門医としての解剖学的知識と豊富な手術経験をもとに、患者様へより良い結果をお届けできるよう常に努めております。鼻整形のことでお悩みの方、特に鼻の再手術をご検討中の方は、十分なカウンセリングと慎重なご判断を通じて後悔のない選択をなさってください。
皆様の美しく健康な鼻のために、ノーズラボが寄り添います。ありがとうございます。
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限界と副作用
自家肋軟骨を使用する場合、肋軟骨を採取した部位に傷跡や痛みが残ることがあり、稀に胸膜損傷が生じる場合があります。また、移植した軟骨が時間の経過とともに曲がったり、一部吸収されたりする可能性があります。
寄贈肋軟骨を使用する場合、移植軟骨が吸収されたり変形したりする可能性があるため、長期的な経過観察が必要です。
プロテーゼを除去して再手術を行う場合、除去後に拘縮が再び進行したり、鼻の高さや長さが短くなったりすることがあり、皮膚の状態によっては段階的な手術が必要となる場合があります。
注入されたフィラーなどの異物を除去して再建を行う場合、除去後に拘縮が再び進行したり、鼻の高さや長さが短くなったりすることがあり、皮膚の状態によっては段階的な手術が必要となる場合があります。
鼻中隔を同時に矯正する場合、鼻づまりが残存または再発する可能性があり、稀に鼻中隔穿孔や嗅覚の変化が生じる場合があります。
共通のリスクとして、感染、出血、非対称、傷跡、皮膚壊死、改善効果の不足などが生じる可能性があり、結果には個人の皮膚状態や過去の手術歴による個人差があります。