こんにちは。カン・チャヨンです。
今回は、長い鼻と高すぎる開始点でお悩みだった患者様の手術症例をご紹介いたします。
この患者様は11年前から複数回の鼻整形手術を受けられており、今回が5回目の手術でした。
1. 術前デザインカウンセリング
患者様の術前の状態とご希望を詳しく分析していきます:
患者様の手術歴:
- 11年前:鼻フィラー施術
- 10年前:クローズ法による鼻中隔軟骨を用いた鷲鼻矯正・骨切り手術(プロテーゼなし)
- 2020年:オープン法による寄贈肋軟骨と耳介軟骨を用いた団子鼻矯正、骨切り手術(プロテーゼなし)
- 2020年(6か月後):ピンチノーズ(つまんだような鼻)感改善のための矯正手術(プロテーゼなし)
- 2022年:寄贈肋軟骨を用いた鼻柱下降術(プロテーゼなし)
患者様のご希望:
1. 長く見える印象の矯正
2. 鼻柱下降
3. すっきりと整った鼻先
術前状態の分析:
正面:
- 鼻が丸く横に広がって見える
- 鼻が曲がって見える
側面:
- 鼻が長く見える
- 鼻先が垂れ下がって見える
- 眉間の開始点が高く見える
- 鼻柱の中間部分に過去の手術による傷跡に伴う陥凹が観察される
斜め側面:
- 丸く長い団子鼻の形態
- 全体的に男性的で年齢より上に見える印象
鼻孔:
- 丸みを帯びた形態
- 鼻孔の非対称を認める
追加所見:
- 鼻づまりの症状を訴える
- CT撮影の結果、左側への鼻中隔弯曲症および両側の下鼻甲介肥大を確認
2. 手術計画
患者様の状態とご要望を考慮し、以下のような手術計画を立てました:
a) 鼻筋の異物除去
b) 外側骨切り術による鼻幅の縮小
c) 鼻骨の整骨およびシリコンプロテーゼを用いた開始点の引き下げ
d) 寄贈肋軟骨を用いた鼻先形成
e) 鼻中隔矯正術
f) 高周波レーザーによる粘膜下下鼻甲介切除術
3. 手術内容
クローズ法(非開放式)アプローチにより、以下の手術を行いました:
a) 異物除去:
- 過去の手術で使用された軟骨や真皮などの生体組織を完全に除去しました。
- 異物除去は、鼻筋の皮膚を平らにならし、鼻筋を滑らかに整えるための準備作業となります。
b) 鼻中隔再建:
- 過去の手術によって脆弱化していた鼻中隔を、寄贈肋軟骨を用いて再建しました。
- 特に前方の安定性を高めることに注力しました。
c) 鼻先形成:
- 鼻中隔延長術を施行しました。
- 鼻先軟骨縛り(鼻翼軟骨縫合)を通じて、自然な鼻先の形状を形成しました。
d) 鼻柱陥凹の矯正:
- 過去のオープン法手術による瘢痕組織を皮下から一部除去しました。
- 軟骨と真皮を補強し、陥凹部位を復元しました。
e) 曲がった鼻(斜鼻)の矯正:
- 骨切り術によって曲がっていた鼻を真っ直ぐに整えました。
f) 団子鼻矯正:
- 丸く広がっていた鼻の形状を改善しました。
g) 開始点の引き下げ:
- 鼻骨を整え、シリコンプロテーゼを特殊に細工して彫刻することで、開始点を低くしました。
h) 鼻中隔形成術および下鼻甲介切除術(縮小術):
- 鼻づまりを改善するため、鼻中隔を矯正し下鼻甲介を縮小させました。
4. ビフォーアフター写真の比較
術直後0日目の写真を比較すると、以下のような改善点を確認できます:術直後の写真は腫れが残っている状態のため、最終結果とは異なる場合があります。
正面:
- 丸く広がって見えていた鼻が、すっきりと洗練された形態に改善されました。
- 曲がって見えていた鼻が真っ直ぐに矯正されました。
- 全体としてバランスの取れた仕上がりとなっています。
側面:
- 長く見えていた鼻が適切な長さに調整されました。
- 垂れ下がって見えていた鼻先が自然に持ち上がり、全体のバランスが改善しました。
- 高すぎた眉間の開始点が下がり、自然なラインを描いています。
- 陥凹していた鼻柱の中間部分が滑らかに矯正されました。
斜め側面:
- 団子鼻の形態が改善され、洗練された若々しい印象を与えます。
- 鼻全体のラインが滑らかで自然になりました。
鼻孔:
- 丸みのあった鼻先の形状が、すっきりと洗練された形に改善されました。
- 鼻孔の非対称が大幅に改善されました。
5. 術直後0日目写真一覧術直後の写真は腫れが残っている状態のため、最終結果とは異なる場合があります。
6. 総評
本症例は、自家組織のみを用いた鼻整形手術を複数回受けた後に起こりうる問題点を如実に示しています。プロテーゼを使用しない手術では、鼻背を満たす材料によって鼻背が凸凹になってしまうケースが多く見られますが、これを滑らかに矯正するためには、過去に移植された生体組織をくまなく除去しなければなりません。この工程は非常に精密で難易度が高く、異物除去手術における豊富な経験が求められます。
特にこのようなケースでは、度重なるプロテーゼなしの手術によって鼻の構造が複雑化していました。鼻骨を何度も削ると、鼻骨がより丸く幅広くなり、開始点が高くなってしまう問題が生じることがあります。このような場合に開始点を引き下げるためには、専門的な技術が必要とされます。
今回の手術では、既存の異物を完全に除去し、鼻中隔を再建した上で、鼻先と鼻柱を矯正するなど総合的なアプローチを行い、患者様のご要望にできる限りお応えできるよう努めました。特に開始点を低くするためにシリコンプロテーゼを特殊に細工彫刻する方法を採用した点が大きな特徴です。
また、鼻づまりの悩みを解決するために、鼻中隔形成術と下鼻甲介縮小術を同時に施行した点も重要なポイントです。美容的な改善だけでなく、機能的な改善も同時に達成した好例といえます。
7. おわりに
長い鼻、高すぎる開始点、団子鼻といった複合的な鼻のお悩みをお持ちの方々に、本症例が参考となれば幸いです。特に、複数回のプロテーゼなしの手術後に思わしい結果が得られずお悩みの方のお役に立てることを願っております。
鼻の再手術は、過去の手術による組織変化を取り除き、新たに構造を作り直す必要があるため、初手術よりも複雑で難易度が高くなります。そのため、豊富な経験と専門性を備えた医師へのご相談が欠かせません。
耳鼻咽喉科専門医としての解剖学的知識と豊富な手術経験をもとに、患者様一人ひとりに合わせた手術計画をご提案しております。見た目の美しさだけでなく機能的な改善まで考慮した総合的なアプローチで、美しく健康的な鼻をお作りいたします。
皆様の美しく健康的なお鼻のために、ノーズラボがお手伝いいたします。
カン・チャヨンでした。ありがとうございました。
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限界と副作用
自家肋軟骨を使用する場合、肋軟骨を採取した部位に傷跡や痛みが残ることがあり、稀に胸膜損傷が生じる場合があります。また、移植した軟骨が時間の経過とともに曲がったり、一部吸収されたりする可能性があります。
寄贈肋軟骨を使用する場合、移植軟骨が吸収されたり変形したりする可能性があるため、長期的な経過観察が必要です。
注入されたフィラーなどの異物を除去して再建を行う場合、除去後に拘縮が再び進行したり、鼻の高さや長さが短くなったりすることがあり、皮膚の状態によっては段階的な手術が必要となる場合があります。
鼻中隔を同時に矯正する場合、鼻づまりが残存または再発する可能性があり、稀に鼻中隔穿孔や嗅覚の変化が生じる場合があります。
共通のリスクとして、感染、出血、非対称、傷跡、皮膚壊死、改善効果の不足などが生じる可能性があり、結果には個人の皮膚状態や過去の手術歴による個人差があります。