こんにちは。カン・チャヨンです。
本日は、重度の炎症によって生じた鼻先の皮膚陥凹と鼻柱陥凹を伴う短鼻・拘縮鼻の矯正・鼻再手術症例について詳しくお話しいたします。
このような症例は皮膚の損傷が極めて重度で矯正の難易度が高いですが、本症例では皮膚を可能な限り温存しながら手術を進めました。
1. 手術歴
このようなタイプの方は、以下のような経歴をお持ちでした:
- 2023年7月: ゴアテックス + 鼻中隔軟骨 + 耳介軟骨 + 寄贈肋軟骨
- 2023年10月: 鼻先切開による炎症組織の除去
患者様のご希望:
1. 自家肋軟骨を用いた鼻筋と鼻先形成
2. アップノーズ・短鼻矯正
3. 鼻柱陥凹の矯正、鼻柱下降術
4. 鼻先の傷跡矯正
5. 鼻唇角矯正
2. デザインカウンセリング
デザイン時に撮影した写真を詳しく分析していきます。
正面写真:
- 顔面の非対称が観察されます。
- 鼻筋が横に広がり、曲がって見えます。
- 鼻孔の非対称が顕著です。
- 鼻柱が引っ込んでいました。
- 鼻先の皮膚に重度の陥凹が認められます。
- 過去に炎症が生じた際のプロテーゼ除去が、現在陥凹している部位を通して行われたため、傷口が深く陥凹している状態です。
側面写真:
- 鼻筋が全体的に低くなっています。
- 鼻先が短く、上を向いています。
斜め側面写真:
- 鼻根部が低くなっています。
- 鼻先が短く上を向いた、典型的な拘縮の所見を示しています。
鼻孔写真:
- 鼻先の中央に縦方向の深く陥凹した傷跡が観察されます。
- 鼻柱のオープン切開創の傷跡が非常に重度です。
- 鼻孔の非対称が顕著です。
4. 手術計画および内容
計画に基づき、以下のように手術を進めました:
a) 鼻中隔軟骨の全再建:
- 重度の炎症により寄贈肋軟骨は見当たらず、鼻中隔軟骨の大部分が損傷して消失した状態でした。
- 自家肋軟骨を用いて鼻中隔を完全に再建しました。
b) 右側鼻中隔粘膜の欠損状態:
- 以前に鼻中隔軟骨の大部分が除去され、炎症によって吸収される過程で、右側鼻中隔粘膜のかなりの部分が壊死したと考えられます。粘膜は瘢痕組織として再生していたものの、非常に薄く脆弱になっていたため、耳介軟骨の軟骨膜を採取して右側粘膜の再建手術を行いました。
残存ゴアテックスの除去:
- 鼻筋の眉間部分に残存していたゴアテックスの破片を完全に除去しました。
c) 鼻翼軟骨再建:
- ほぼ消失していた大鼻翼軟骨を、自家肋軟骨を用いて再建しました。
d) 外側骨切り術の再施行:
- 過去に非対称に行われていた骨切りを矯正するため、繊細に外側骨切り術を再度行いました。
e) 陥凹の矯正:
- 陥凹した皮膚を最大限温存しながら、その下部に真皮と軟骨を補強して改善を図りました。
- 該当部位に幹細胞注射治療を行いました。
5. 術前・術後比較
術直後(0日目)の写真を分析すると、以下のような改善点が確認できます:術直後の写真は腫れがある状態のため、最終的な仕上がりとは異なる場合があります。
正面:
- 鼻柱が自然に下がりました。
- 横に広がり曲がって見えていた鼻筋が自然に矯正されました。
- 陥凹していた部分が大幅に改善されました。
側面:
- 短く見えていた部分が適切な比率に矯正されました。
- 低く見えていた眉間が自然な高さに改善されました。
- 垂れ下がって短く見えていた部分が、すっきりと立体的な印象に矯正されました。
- 鼻柱が自然に下がり、鼻唇角がバランスよく改善されました。
斜め側面:
- 短く見えていた部位が調和のとれたプロポーションに変化しました。
鼻孔:
- 明瞭に見えていた陥凹痕の深さが大きく改善されました。
- 赤みは残っていますが、時間の経過とともにさらに自然になっていくと期待されます。
- 鼻孔の非対称が大幅に改善されました。
6. 術直後0日写真一覧術直後の写真は腫れがある状態のため、最終結果とは異なる場合があります。
7. 総評
本症例は、深刻な炎症により鼻柱が引き込まれ鼻先の皮膚が陥凹した短鼻・拘縮鼻の矯正における複雑さと難しさをよく示しています。特に鼻先皮膚の深刻な損傷と陥凹は矯正が極めて困難な問題でしたが、皮膚を最大限に温存する方針で進めたことで良好な結果を得ることができました。
自家肋軟骨を用いた鼻中隔の完全再建、大鼻翼軟骨の再建、そして繊細な外側骨切り術により、全体的な構造と形態を改善しました。特に陥凹した鼻先の皮膚を切除せず最大限に復元したことが今回の手術の核心でした。これは難易度を高める要素ではありますが、長期的な視点で見ると、より自然な結果を得るための方法です。
8. 結びの言葉
短鼻・拘縮鼻の中でも、皮膚損傷を伴う症例は手術の難易度がさらに上がります。私は損傷した皮膚をできる限り生かす方針で臨んでいます。どうしても不可能な場合を除き、皮膚を切除せずに最大限復元することが最も理想的であると考えています。
今回も陥凹部の皮膚を一部切除するという選択肢もあり得ましたが、皮膚の損傷を極力避け、幹細胞治療と陥凹皮膚の復元を行う方法を採用しました。
もちろんこのようなアプローチは極めて慎重かつ繊細さが求められ、手術の難易度を引き上げます。しかし長期的な観点から見れば、皮膚を切除するよりも元の皮膚の面積を保つほうがはるかに自然な結果につながります。
本症例を通じて、拘縮鼻でお悩みの方々、とりわけ皮膚の損傷を伴うケースでお困りの方々に希望を持っていただければ幸いです。複雑で難易度の高い手術ではありますが、適切な計画と繊細な技術によって納得のいく結果を得ることが可能です。
拘縮変形の矯正は、単に審美的な側面だけでなく機能面においても極めて重要な手術です。そのため、豊富な経験と専門性を備えた医師選びが何より大切になります。ノーズラボ医院では、耳鼻咽喉科専門医としての解剖学的知識と豊富な経験に基づき、患者様お一人おひとりに最適な手術計画をご提案しております。
皆様の美しく健康的なお鼻のために、ノーズラボがお手伝いいたします。
カン・チャヨンでした。ありがとうございました。
ありがとうございます。
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限界と副作用
自家肋軟骨を使用する場合、肋軟骨を採取した部位に傷跡や痛みが残ることがあり、稀に胸膜損傷が生じる場合があります。また、移植した軟骨が時間の経過とともに曲がったり、一部吸収されたりする可能性があります。
寄贈肋軟骨を使用する場合、移植軟骨が吸収されたり変形したりする可能性があるため、長期的な経過観察が必要です。
プロテーゼを除去して再手術を行う場合、除去後に拘縮が再び進行したり、鼻の高さや長さが短くなったりすることがあり、皮膚の状態によっては段階的な手術が必要となる場合があります。
鼻中隔を同時に矯正する場合、鼻づまりが残存または再発する可能性があり、稀に鼻中隔穿孔や嗅覚の変化が生じる場合があります。
共通のリスクとして、感染、出血、非対称、傷跡、皮膚壊死、改善効果の不足などが生じる可能性があり、結果には個人の皮膚状態や過去の手術歴による個人差があります。