こんにちは。
カン・チャヨン院長です。
今回は、自家肋軟骨を用いて手術を受けられた後、7日目に炎症が発生して積極的な治療を行ったものの急性炎症が治まらず、術後2週間で鼻筋・鼻先を全抜去して経過を観察していたところ、当院へご来院された患者様です。
当院で自己脂肪を用いた幹細胞注射治療を3回受けられ、全抜去から6か月後に手術を受けられました。また、他院で手術を受けられた後から鼻呼吸が著しく困難になっていたため、鼻づまりの改善手術も同時に進めることとなりました。
術前に当院で実施したデザインカウンセリングの内容を見ていきましょう。
幹細胞治療前の写真と術前デザインカウンセリング
幹細胞治療前の写真です。正面から見ると鼻孔の非対称と横に広がって見える印象が最も目立ち、全抜去後4か月目であったことを考慮しても、鼻先の皮膚が非常に硬く凸凹していました。特に鼻孔の非対称が著しく、縫合部に生じた瘢痕組織が大きく収縮して右側の鼻孔がかなり小さくなっていました。そのため、自己脂肪の中から幹細胞を抽出し鼻先に注入する幹細胞治療を3回行いました。
幹細胞治療を実施した後、術前デザインカウンセリング時に撮影した写真です。全体的に鼻先の皮膚がかなり柔らかくなり、凸凹していた質感が改善しました。特に鼻孔の縫合部に生じていた瘢痕組織が大幅に柔らかくなりました。
鼻づまりに関する検査
前回の鼻手術後に鼻づまりが生じ、鼻呼吸が非常に不便になったとおっしゃっていたため、当院で簡単な鼻づまり検査を実施しました。
当院で撮影したCT画像において鼻中隔弯曲症と肥厚した下鼻甲介の所見が観察され、特に鼻腔内粘膜の癒着所見が見られたため、鼻内視鏡で鼻腔内を確認しました。鼻内視鏡の所見では両側の鼻中隔粘膜と下鼻甲介粘膜の多発性癒着所見が認められ、鼻づまりの原因は鼻中隔弯曲症と鼻腔内粘膜の多発性癒着によるものと考えられます。
手術計画
正面の曲がった鼻筋と鼻骨の非対称を改善するため、外側骨切り術を計画しました。
鼻先の広がりと鼻孔の非対称を矯正するため、大鼻翼軟骨の再建と軟骨結びを計画しました。
鼻柱を下げることで、正面におけるACR(鼻翼と鼻柱の位置関係)を自然に整える予定です。
眉間の開始位置は瞳のライン程度に設定し、鼻背は自家肋軟骨を用いて自然な高さに形成しました。
鼻先は上を向かない方向へ自家肋軟骨を用いて高さを出し、鼻柱をわずかに下げて鼻唇角を矯正する計画です。
鼻孔の非対称を矯正するため、右側に傾いている鼻柱をまっすぐに整える自家肋軟骨を用いた鼻中隔再建手術を計画しました。
右側の鼻孔を狭めている縫合部分の肥厚した瘢痕組織を切除し、鼻の内側の粘膜を前進させる前進皮弁術を行うことで、鼻孔の大きさを広げる計画です。特に鼻中隔を左側へ移動させることで、鼻孔のバランスを調整する方針としました。
患者様の鼻づまり改善のため、鼻中隔弯曲症を矯正し、鼻粘膜の癒着を剥離する予定です。
術前 vs 術直後
術前と術直後0日目の写真を比較してみます。術直後の写真は腫れがある状態のため、最終的な結果とは異なる場合があります。
側面から見て、鼻先の丸みやアップノーズになっていた部分が大きく改善されました。鼻唇角が自然になり、鼻背の凸凹して低く見えていた部分も、瞳のライン付近を開始点として自然に高く整った様子が確認できます。
45度の斜め側面から見ると、短く持ち上がって見えていた部分が大幅に改善された様子が確認できます。特に鼻孔が広がって見える様子が確認できます。
正面から見て横に広がっていた部分が矯正され、鼻孔が目立っていた状態も改善されました。鼻柱が自然に下がり、曲がって見えていた部分も整いました。
最も顕著な変化は鼻孔の非対称の改善です。右側鼻孔の瘢痕組織を除去し、鼻柱の厚みを減らしながら左側へと移動させることで、鼻孔の非対称をできる限り矯正しました。
術直後写真まとめ
総評
患者様の手術は、予想していたよりも軟骨の状態が芳しくありませんでした。前回の鼻手術によって鼻中隔軟骨と右側の大鼻翼軟骨の約80%が消失した状態であったため、これらの軟骨を自家肋軟骨を用いて完全に再建しました。軟骨の再建手術は初期には大きな変化を実感しにくいこともありますが、時間の経過とともに形状を維持し変形を防止するうえで大きな役割を果たすと考えております。もちろん、再建手術の影響で初期はむしろ非対称が強調されて見える場合がありますが、組織の回復に伴う腫れによるものと捉えていただければ幸いです。
このようなタイプは炎症による拘縮変形のために再手術を受けられた方ですので、鼻筋・鼻先ともに自家肋軟骨を用い、術後の感染予防と安全な回復に集中する必要があります。そのため、抗生剤治療や高気圧酸素治療、レーザー治療などを実施しながら、積極的な創傷治癒の促進を図る予定です。
本日は拘縮鼻の手術についてお話しいたしました。拘縮鼻でお悩みの方々のお役に立てれば幸いです。
カン・チャヨンでした。ありがとうございました。
限界と副作用
自家肋軟骨を使用する場合、肋軟骨を採取した部位に傷跡や痛みが残ることがあり、稀に胸膜損傷が生じる場合があります。また、移植した軟骨が時間の経過とともに曲がったり、一部吸収されたりする可能性があります。
鼻中隔を同時に矯正する場合、鼻づまりが残存または再発する可能性があり、稀に鼻中隔穿孔や嗅覚の変化が生じる場合があります。
共通のリスクとして、感染、出血、非対称、傷跡、皮膚壊死、改善効果の不足などが生じる可能性があり、結果には個人の皮膚状態や過去の手術歴による個人差があります。