こんにちは
代表院長のカン・チャヨンです。
本日は拘縮鼻の症例について取り上げます。鼻への施術回数だけでも27回に及んでいた患者様です。鼻整形手術と鼻への脂肪移植を27回経験され、直近1年の間に拘縮が急激に進行したためご来院されました。
手術計画
患者様は高くてはっきりしたラインの鼻をご希望されましたが、現在の鼻の状態が芳しくないことが予想されたため、手術室で現況を考慮しながら形を整える方針をご説明して手術に臨みました。特に急性炎症の可能性があり、2次手術が必要になる可能性についても慎重にお伝えしていました。術前に撮影したCT所見では、鼻先に異物と見られる陰影が確認され、鼻中隔軟骨が損傷している可能性もありました。
手術所見
CT画像に見られた異物はシリコンの破片であり、以前の手術の担当医が鼻先の鼻中隔軟骨が失われた部位にシリコンプロテーゼを埋めていたと考えられます。このプロテーゼが鼻先へと押し出され、鼻先の皮膚が0.5mmほど開いた状態になっていました。この部位を通じて急性炎症が鼻のプロテーゼや鼻内に移植されていた脂肪細胞の間に広がり、プロテーゼ周辺は肉芽組織で満たされていました。肉芽組織をすべて除去して鼻の内部を確認したところ、鼻中隔軟骨の80%が消失した状態であり、外側鼻軟骨と大鼻翼軟骨も痕跡しか残っていませんでした。さらに、鼻筋に移植されていた脂肪細胞も慢性炎症によって傷跡組織や線維組織へと変性していたため、しっかりと除去しました。
欠損していた鼻中隔軟骨は自家肋軟骨によって完全に再建し、外側鼻軟骨および大鼻翼軟骨も自家肋軟骨を用いて再建しました。鼻筋には移植されていた脂肪組織を除去し、部分的にシリコンプロテーゼを挿入しました。
術前 vs 術直後
術前・術後の写真を比較してみます。
術前に鼻先が著しく上がり、鼻柱が引き込まれていた状態が大幅に改善され、自然な鼻唇角が形成されました。また、鼻筋の開始点がしっかり下がり、自然なラインを維持しています。
鼻筋の開始点が下がった部分が最も分かりやすい変化です。
正面から見て持ち上がっていた鼻先がしっかりと下がり、鼻孔がほとんど見えない程度になりました。もちろんダウンタイム中の腫れや傷跡組織の影響により、現時点よりわずかに上がって見える場合がありますが、組織が落ち着くにつれて現在の位置まで下がっていきます。
拘縮組織によって著しく狭くなっていた鼻孔が大幅に改善されました。
術直後写真まとめ
拘縮鼻の変形に対する私の考え
拘縮の手術を数多く担当していると、鼻中隔軟骨の重要性を強く実感します。炎症が生じた際、鼻中隔軟骨が多く残っているほど鼻先の変形は抑えられる傾向にあります。本症例においても、鼻中隔軟骨がもう少し残っていればここまで上を向くことはなく、鼻先を再び下げる際にも有利に働いたと考えられます。当院では鼻中隔軟骨を強固に再建して鼻先を下げるため、大きな問題にはなりません。
拘縮によって上がった鼻を下げるには、大きく分けて2つの要素が重要です。1つ目は皮膚がどれだけ伸びてくれるか、2つ目は鼻先を下げるための支持構造がどれほど頑丈であるかです。特に今回のように急性炎症を伴い鼻の支持構造が完全に崩れている場合は、皮膚が伸びにくい上に支持構造も失われているため、まずは強固な支持構造を再建することが極めて重要となります。再建が完了すれば、その支持構造を基盤として、さらに高さを出したり下げたりする調整が可能になります。
本日は、鼻中隔がほとんど消失していた拘縮鼻の患者様の再建手術についてご紹介しました。拘縮鼻の変形でお悩みの方々にとって参考になれば幸いです。
カン・チャヨンでした。ありがとうございました。
限界と副作用
自家肋軟骨を使用する場合、肋軟骨を採取した部位に傷跡や痛みが残ることがあり、稀に胸膜損傷が生じる場合があります。また、移植した軟骨が時間の経過とともに曲がったり、一部吸収されたりする可能性があります。
鼻中隔を同時に矯正する場合、鼻づまりが残存または再発する可能性があり、稀に鼻中隔穿孔や嗅覚の変化が生じる場合があります。
共通のリスクとして、感染、出血、非対称、傷跡、皮膚壊死、改善効果の不足などが生じる可能性があり、結果には個人の皮膚状態や過去の手術歴による個人差があります。