こんにちは
代表院長のカン・チャヨンです。
本日は院長室のエアコンをつけました。窓を開けておくだけでは室温が下がらなかったためです。春は本当にあっという間に過ぎてしまうように感じられますね。来週には半袖のシャツを取り出して着ることになるかもしれません。
本日は、過去の手術後の炎症によって拘縮が生じた患者様の手術症例についてお話ししたいと思います。
術前カウンセリング
このようなタイプでは、正面から見ると鼻が左側に曲がって見え、鼻筋から鼻先にかけて全体的に横へ広がっていました。鼻孔の非対称が目立ち、鼻先も左側へ偏っていました。
側面からはアップノーズに見え、鼻先が垂れ下がって見えつつ短く見えていました。口元の突出感も認められました。
鼻孔の写真を見ると、鼻が完全に左側へと偏っており、小鼻の長さにも左右差がありました。鼻孔の非対称が目立ち、右側の鼻柱が大きく肥厚していました。また、左側の小鼻上部の皮膚がかなり厚くなっていることから、左側鼻翼軟骨の損傷の可能性が予想されました。
手術計画
患者様の手術計画としては、過去の炎症による拘縮変形の既往歴があり、鼻の皮膚が薄く小さいために伸びにくいことを考慮し、術前に幹細胞治療を行いました。そして当院で撮影したCT所見と理学所見を総合した結果、鼻翼軟骨と鼻中隔軟骨に深刻な損傷が疑われたため、自家肋軟骨を用いた鼻中隔軟骨の再建と鼻翼軟骨の再建を計画しました。以前に炎症を患った既往歴を考慮し、鼻筋にもシリコンプロテーゼの代わりに自家肋軟骨を使用する計画です。正面から曲がって見える印象や広がって見える印象を改善するため、鼻筋の異物除去と鼻骨骨切り術もあわせて計画しました。さらに、正面から鼻孔が見える状態を改善するため、鼻孔縁下降術を予定しました。以前に炎症を起こした所見があるため、鼻筋にもシリコンプロテーゼではなく自家肋軟骨を用いて高さを出す計画です。
手術所見
以前の手術時に皮膚の部分壊死が疑われる所見があり、鼻筋が度々腫れ上がっていたという経緯を考慮し、非常に慎重にアプローチしました。鼻の皮膚は極めて薄くなっており、過去の手術で鼻先に耳介軟骨が無理に広く移植されていました。特に左側の小鼻部分には耳介軟骨の厚く弯曲の強い部分が移植されていたため、左の鼻翼軟骨がより突出していました。両側の鼻翼軟骨は完全に切除され痕跡も見当たらない状態だったため、自家肋軟骨で再建を行いました。鼻先の皮膚が小さくほとんど伸びなかったため、高さを大きく出すことは叶いませんでしたが、患者様が悩まれていた鼻孔の非対称、アップノーズ、曲がって見える状態はしっかりと改善されました。縫合前には炎症の予防、傷の回復、組織再生を促すため、幹細胞注射を行って手術を終了しました。
鼻先の高さに関しては、鼻中隔の再建によって支持構造を強固に形成してあるため、術後6か月以降に幹細胞治療や軟骨の追加移植によって鼻先の高さをさらに少し出すことも可能ですので、十分にお待ちいただくことができます。
術前 vs 術直後
側面写真を見ると、吊り上がっていた鼻先がしっかり下がり、小鼻と鼻柱の間から見える鼻孔の面積が減り、鼻筋も自然につながりました。
斜め45度の写真を見ると、丸みのあった鼻筋と鼻先がすっきりと整った様子が確認できます。
正面から全体的に広がっていた鼻の形が自然に引き締まって見えるようになり、鼻孔の見え方も大幅に改善され、曲がりや鼻孔の非対称も整った様子が確認できます。
鼻孔の非対称が大きく改善され、鼻先が左側へ偏っていた状態も緩和されました。特に左の小鼻部分に突出していた箇所も十分に整いました。
術直後写真まとめ
拘縮鼻手術に対する私の考え
これまで数多くの拘縮鼻手術を手がけてくる中で、私なりに考えてきたことについてお話しします。拘縮鼻手術は結局のところ炎症との闘いであり、炎症治療後の変形をいかに防ぐかが重要であったと感じています。炎症を治療するためには適切な抗生物質を使用する必要があり、手術部位に移植されていた人工物はすべて除去してこそ炎症を治癒へと導くことができます。
また、鼻が小さい方に拘縮が生じると予後はより芳しくなく、小鼻縮小や人中短縮などの手術によって鼻の皮膚が減少している場合も予後は思わしくありませんでした。そのため、皮膚の損傷をできる限り抑え、皮膚をより柔軟に伸ばしてあげることが拘縮手術において極めて重要であるという結論に至りました。そうした理由から、拘縮の患者様には術前・術後の幹細胞治療をお勧めしています。
拘縮鼻の手術では、1回目の手術で鼻中隔再建や鼻翼軟骨再建といった全体の支持構造を強固に作り上げることに注力し、6か月以降に追加の2次矯正手術を行うケースも珍しくありません。一度に二兎を追うことが難しい場合が多いのです。
鼻の内部の軟骨再建は、術後初期には大きな変化として現れにくいものの、6か月、1年、2年、3年と時間が経過するほどにその差が現れてくるように感じます。そのため、手技としては難度が高いものの、私は損傷した軟骨の再建に多くの時間を注いでいます。
本日は拘縮鼻について簡単にお話しいたしました。拘縮鼻でお悩みの方や再手術をご検討中の方々にとって、少しでもご参考になれば幸いです。
カン・チャヨンでした。ありがとうございました。
限界と副作用
自家肋軟骨を使用する場合、肋軟骨を採取した部位に傷跡や痛みが残ることがあり、稀に胸膜損傷が生じる場合があります。また、移植した軟骨が時間の経過とともに曲がったり、一部吸収されたりする可能性があります。
注入されたフィラーなどの異物を除去して再建を行う場合、除去後に拘縮が再び進行したり、鼻の高さや長さが短くなったりすることがあり、皮膚の状態によっては段階的な手術が必要となる場合があります。
鼻中隔を同時に矯正する場合、鼻づまりが残存または再発する可能性があり、稀に鼻中隔穿孔や嗅覚の変化が生じる場合があります。
共通のリスクとして、感染、出血、非対称、傷跡、皮膚壊死、改善効果の不足などが生じる可能性があり、結果には個人の皮膚状態や過去の手術歴による個人差があります。