こんにちは。カン・チャヨンです。
本日は、アップノーズと鼻孔の露出にお悩みで、直半ライン(ストレート気味のライン)の自然な鼻をご希望されて来院された患者様の症例をご紹介いたします。
このようなタイプの方は複数回の鼻整形の手術歴があり、その過程で様々な材料が使われていました。
このように複雑な症例であるほど、細やかな分析とオーダーメイドの計画が必要になります。
1. 術前デザインカウンセリング
まず患者様の手術歴を確認してみましょう。
- 2016年:シリコン + 耳介軟骨
- 2018年:真皮 + 耳介軟骨
7か月後:シリコン + 鼻中隔軟骨 + 寄贈肋軟骨
- 2021年:シリコン + 寄贈肋軟骨
このように複数回の手術を重ねられたにもかかわらず、ご満足のいく結果を得られなかった患者様の術前状態を詳しく分析してみます。
正面:
- 鼻孔が大きく見え、右側の鼻孔がつままれたように見える(ピンチ感)
- 眉間の開始点が高く、印象が強く見えてしまう
- 左右の鼻骨の非対称により鼻が曲がって見える
側面:
- 眉間の開始点が高く、鼻筋のラインが不自然
- 鼻先が上がって見える
- 口元の突出感(口ゴボ)と長い人中
- 鼻柱の陥没
斜め側面:
- 鼻筋に凹凸がある
- 鼻筋の開始点が高い
- 鼻先が上がって見える
鼻孔:
- 鼻孔の左右非対称
- 鼻柱の曲がり
これらの複合的な問題を解決するため、以下のような手術計画を立てました。
2. 手術計画
a) 自家肋軟骨を用いた鼻中隔再建手術
b) 鼻中隔延長術
c) 両側の鼻翼軟骨再建(自家肋軟骨を使用)
d) 鼻孔縁下降術
e) 外側骨切り術(曲がった鼻筋の矯正)
この計画は、患者様の複雑な手術歴と現在の状態を考慮し、より良い結果を得るために立てられました。特に長期的に安定した結果を得るため、鼻先には自家肋軟骨を使用することにいたしました。
3. 手術内容
手術は計画通り、クローズ法(非開放式)のアプローチで進行いたしました。各段階の手術内容は以下の通りです。
a) 自家肋軟骨採取:
まず患者様の右側第8肋軟骨を約4cm採取しました。これは鼻の構造再建に必要な十分な量と強度の軟骨を確保するためです。
b) 鼻中隔再建手術:
複数回の手術によって損傷していた鼻中隔を、自家肋軟骨を用いて部分的に再建しました。これは鼻の構造的な安定性を確保する上で非常に重要なプロセスです。
c) 鼻中隔延長術:
再建された鼻中隔に自家肋軟骨を用いて鼻中隔延長を行いました。これにより、吊り上がっていた鼻先を下方に下げ、鼻全体の長さと形態を改善することができました。
d) 大鼻翼軟骨再建:
両側の鼻翼軟骨の損傷が激しかったため、自家肋軟骨を用いて鼻翼軟骨を完全に再建しました。これは鼻先の形態を整え、支持力を高める上で重要な役割を果たします。
e) 鼻孔縁下降術:
再建した鼻翼軟骨の位置を調整して鼻孔縁下降術を行いました。これにより、正面から見えていた鼻孔を自然に隠し、つままれて見えていた小鼻を自然に整えました。
f) 外側骨切り術:
曲がっていた鼻筋を矯正するため、外側骨切り術を施行しました。これにより鼻全体の対称性を改善する助けとなります。
すべての処置をクローズ法(非開放式)アプローチで行ったため、外側に傷跡を残さず手術を完了しました。
4. ビフォーアフター写真の比較
術直後0日目の写真を比較すると、以下のような改善点を確認できます:術直後の写真は腫れが残っている状態のため、最終結果とは異なる場合があります。
正面:
- 目立っていた鼻孔が自然に隠れるようになりました。
- つままれて見えていた鼻先が、柔らかく自然な形態に改善されました。
- 高すぎた眉間の開始点が低くなり、印象が柔らかくなりました。
- 左右の鼻骨の非対称が改善され、全体的にまっすぐ整って見えます。
側面:
- 鼻筋のラインが自然になりました。
- 吊り上がっていた鼻先が適切に下がり、全体のバランスが整いました。
- 口元の突出感が目立たなくなり、長い人中が短く見える効果が得られました。
- 陥没していた鼻柱が自然に満たされました。
斜め側面:
- 凹凸のあった鼻筋が滑らかに整いました。
- 鼻筋の開始点が低くなり、全体のラインが滑らかになりました。
- 上がっていた鼻先が自然に矯正されました。
鼻孔:
- 鼻孔の左右非対称が改善されました。
- 曲がっていた鼻柱がまっすぐに矯正されました。
5. 術直後0日目写真一覧術直後の写真は腫れが残っている状態のため、最終結果とは異なる場合があります。
6. 総評
この症例は、複数回の鼻手術の後に生じうる複合的な問題を解決したケースです。特に自家肋軟骨を用いた全体的な構造再建が鍵となりました。
鼻筋の高さは単に高くすればよいというものではなく、患者様の額や眉骨の高さ、そして鼻先の形状や高さを総合的に考慮して決定する必要があります。この過程において、鼻筋の開始点と鼻先の鼻唇角が非常に重要な要素となります。
今回の場合、以前の手術で鼻筋や眉間の高さを無理に高くしたため、鼻先とのつながりが非常に不自然で人工的になっていました。鼻の形も大切ですが、顔全体の骨格と比率を合わせることも同様に重要です。
今回の手術により、アップノーズと鼻孔の露出問題を解決しながらも、顔全体とのバランスを考慮した自然な鼻のラインを形成することができました。特にクローズ法(非開放式)を用いることで、術後のダウンタイムを短縮し、傷跡を残さずに手術を終えることができました。
7. おわりに
アップノーズ、鼻孔の露出、斜鼻などの複合的な鼻のお悩みをお持ちの方にとって、このような症例が一つの希望となれば幸いです。特に複数回の手術を受けられたにもかかわらず、満足のいく結果が得られなかった方々のお役に立てればと願っております。
鼻整形は単に鼻だけを見るのではなく、顔全体の調和を考慮しなければなりません。鼻筋の高さ、開始点、鼻先の形態、鼻唇角など、すべての要素が密接に関連しているためです。したがって総合的なアプローチが求められ、そのためには豊富な経験と専門性を備えた医師のサポートが必要です。
耳鼻咽喉科専門医としての解剖学的知識と豊富な手術経験をもとに、患者様一人ひとりに合わせた手術計画をご提案しております。見た目の美しさだけでなく機能的な改善まで考慮した総合的なアプローチで、美しく健康的な鼻をお作りいたします。
皆様の美しく健康的なお鼻のために、ノーズラボがお手伝いいたします。
カン・チャヨンでした。ありがとうございました。
ありがとうございます。
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限界と副作用
自家肋軟骨を使用する場合、肋軟骨を採取した部位に傷跡や痛みが残ることがあり、稀に胸膜損傷が生じる場合があります。また、移植した軟骨が時間の経過とともに曲がったり、一部吸収されたりする可能性があります。
寄贈肋軟骨を使用する場合、移植軟骨が吸収されたり変形したりする可能性があるため、長期的な経過観察が必要です。
鼻中隔を同時に矯正する場合、鼻づまりが残存または再発する可能性があり、稀に鼻中隔穿孔や嗅覚の変化が生じる場合があります。
共通のリスクとして、感染、出血、非対称、傷跡、皮膚壊死、改善効果の不足などが生じる可能性があり、結果には個人の皮膚状態や過去の手術歴による個人差があります。