こんにちは。
代表院長のカン・チャヨンです。
本日は、開始点が高く鼻筋はあるものの鼻先が低いために立体感に欠けていた鼻に対し、開始点を下げて鼻先を高めることで、はっきりした印象の鼻へと改善した手術症例についてお話ししようと思います。
術前デザインカウンセリング
患者様は以前に2度の鼻整形手術を受けられており、小鼻縮小手術も同時に受けられていました。術前のカウンセリングでは次のような問題点が確認されました。
正面写真:
鼻筋の開始点が不自然に高い
全体的に鼻が右側に曲がって見える
鼻孔の非対称が顕著
右側小鼻上部のくぼみ
側面写真:
鼻筋は高いが鼻先が垂れ下がっており、全体的に平坦に見える
立体感の不足
口ゴボ(突出口)
鼻柱の陥没
鼻唇角が狭い
斜め側面写真:
眉間の開始点が高く、鼻筋のラインが非常に不自然
鼻先の垂れ下がりが顕著に見られる
鼻孔写真:
前回の小鼻縮小手術による非対称
左側鼻腔の狭窄を確認
手術計画
患者様の状態とご要望を考慮し、以下のような手術計画を立てました:
a) 自家肋軟骨を用いた鼻先再建および鼻中隔延長
b) 鼻中隔形成術による鼻中隔弯曲症の矯正(左側鼻腔の狭小化)
c) 鼻筋の開始点の引き下げおよび新しいプロテーゼの挿入
d) 鼻筋に自然な曲線ラインを形成
e) 右側鼻翼軟骨の再建
f) 右側小鼻上部の皮膚のくぼみを補強するための追加軟骨移植
患者様は高くて華やかな鼻をご希望でしたが、鼻の皮膚のゆとりを考慮し、自然な範囲内で可能な限りはっきりとした印象を与えられるよう計画しました。また、小鼻縮小による制約事項(鼻孔の形態変化、鼻の引きつれ現象など)についても十分にご説明いたしました。
手術内容
実際の手術時、患者様の状態は予想以上に悪化していました。主な手術内容は以下の通りです。
a) 癒着の剥離:鼻先の剥離開始時から軟骨と皮膚の間の癒着がひどい状態であったため、慎重に剥離を進めました。
b) 鼻中隔の補強:鼻先が垂れ下がっていた原因は、鼻中隔軟骨が非常に薄く弱くなっていたためと判断し、自家肋軟骨を用いて鼻中隔を強固に補強しました。
c) 鼻先再建:自家肋軟骨を用いて鼻先を可能な限り高くし、支持力を強化しました。
d) 鼻筋形成:
前回の手術により低くなっていた鼻骨を考慮し、開始点を下げながら全体の高さを調節しました。
曲がっていた既存のプロテーゼを除去し、新しいプロテーゼを鼻骨に正確に適合させて挿入しました。
e) 鼻翼の再建:右側の鼻翼軟骨がほぼ消失していたため、自家肋軟骨を用いて完全に再建しました。
f) 追加の補正:以前に使用されていた耳介軟骨を細かく刻み、右側の陥凹部位に移植しました。
g) 高周波レーザーを用いた下鼻甲介粘膜下切除術:肥厚性鼻炎を矯正し、鼻づまりの症状を改善しました。
すべての工程はクローズ法(非開放式)アプローチで行われました。
術前・術後写真の比較
正面:
鼻筋の開始点の高さが自然に低くなりました。
右側に曲がっていた鼻がまっすぐに矯正されました。
鼻孔の非対称が改善されましたが、前回の小鼻縮小手術の影響により完全な対称を得ることは困難でした。
鼻全体の輪郭がよりくっきりとしました。
側面:
鼻先が適切に持ち上がり、垂れ下がった印象が改善されました。
鼻筋と鼻先の調和により、立体感が大きく向上しました。
鼻筋に自然な曲線ラインが生まれ、上品な印象を与えます。
斜め側面:
鼻筋の曲がりが矯正され、滑らかなラインが見られます。
鼻先の垂れ下がりが改善され、全体的にバランスの取れた形になりました。
鼻孔:
左側鼻腔が広がり、鼻づまりの症状が改善されました。
右側鼻翼の再建により形態が改善されました。
前回の小鼻縮小手術の影響で完全な対称とまではいきませんが、全体的なバランスが大きく向上しました。
術直後写真まとめ
総評
このようなケースは複雑な再手術例であり、クローズ法(非開放式)アプローチのメリットと難しさの両方を示しています。ひどい癒着、損傷した軟骨構造、曲がったプロテーゼなど、多くの問題点を適切に矯正しました。特に自家肋軟骨を用いた広範囲な再建処置をクローズ法で行った点は特筆すべき点です。
無理に鼻筋を高くすると、プロテーゼが中心から外れて曲がってしまうリスクがあります。そのため、眉間部分を自然にデザインすることが極めて重要です。眉間の高さは全体的な印象に大きな影響を与えるため、開始点をどこに設定するかが重要なポイントとなります。
今回の手術では、患者様本来の皮膚の状態と前回の術後制限を考慮し、自然な範囲内で可能な限り立体的ではっきりとした鼻を形成いたしました。完全な対称を得ることは困難でしたが、機能的にも審美的にも大きな改善が得られました。
おわりに
鼻手術、とりわけ鼻の再手術においては、患者様一人ひとりの状態に合わせた丁寧なアプローチが求められます。クローズ法の手術は傷跡を残さず自然な結果を得られる優れた方法ですが、高度な技術と経験が必要とされます。
このような複雑な鼻の再手術でお悩みの方々にとって、本症例が参考になりましたら幸いです。それぞれの状況に適した解決策を見つけるためには、専門医によるカウンセリングが欠かせません。常に患者様の安全と満足を最優先に考え、より良い結果を目指して尽力してまいります。
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限界と副作用
自家肋軟骨を使用する場合、肋軟骨を採取した部位に傷跡や痛みが残ることがあり、稀に胸膜損傷が生じる場合があります。また、移植した軟骨が時間の経過とともに曲がったり、一部吸収されたりする可能性があります。
プロテーゼを除去して再手術を行う場合、除去後に拘縮が再び進行したり、鼻の高さや長さが短くなったりすることがあり、皮膚の状態によっては段階的な手術が必要となる場合があります。
鼻中隔を同時に矯正する場合、鼻づまりが残存または再発する可能性があり、稀に鼻中隔穿孔や嗅覚の変化が生じる場合があります。
共通のリスクとして、感染、出血、非対称、傷跡、皮膚壊死、改善効果の不足などが生じる可能性があり、結果には個人の皮膚状態や過去の手術歴による個人差があります。