こんにちは。

代表院長のカン・チャヨンです。

今回は、炎症のために本当に辛い日々を過ごされてきた患者様の鼻手術の症例についてお話しいたします。

このケースは9回目の鼻手術でした。過去8回の手術のほとんどが炎症に関連したものであり、直近の手術では重度の炎症により鼻先の皮膚が部分壊死し、鼻先に陥没した傷跡が生じていました。

当院にご来院後、幹細胞治療を4回実施した上で、9回目の鼻の再手術を行いました。

深刻な炎症により鼻先の皮膚が部分壊死した際のお写真です。

鼻先の皮膚が部分壊死した際のお写真

術前デザイン

術前 正面

正面から見ると鼻孔が大きく露出しており、鼻先が右側に曲がって見え、鼻孔の非対称が強く目立ちます。

鼻全体が横に広がって見えます。また、左側の鼻先には以前の炎症によって生じた傷跡が確認できます。

術前 側面

側面から見ると、わずかな鷲鼻があり、鼻先が垂れ下がりつつも大きく上を向いてアップノーズになっており、鼻柱の露出が多く、鼻唇角が大きい所見が見られます。

術前 鼻孔

鼻孔の写真を見ると、左側の鼻孔が右側に比べて小さく、鼻柱から小鼻にかけて皮膚が癒着し、鼻孔の上部を塞いでいるように見えます。

手術計画

  • 鼻骨の曲がっている部分は、外側骨切り術によって矯正する計画です。

  • 鼻筋・鼻先ともに自家肋軟骨を用いて手術を行う計画です。

  • 鼻孔の非対称の矯正とアップノーズ矯正のため、自家肋軟骨を用いた鼻中隔再建手術を計画しています。

  • アップノーズの改善のために鼻中隔延長術を行い、両側の大鼻翼軟骨の再建による鼻孔縁下降術も計画いたしました。

  • 左側の鼻孔を広げるため、必要に応じて局所皮弁術を計画しています。

  • 拘縮により鼻全体の皮膚が十分に伸びにくいと考えられたため、鼻背の皮膚を進展させる手術を計画いたしました。

  • 左側の陥没した皮膚の下への真皮移植を計画いたしました。

術前 vs 術直後

術前と術直後0日目の写真を比較してみます。術直後の写真は腫れがある状態のため、最終的な結果とは異なる場合があります。

術前 / 術直後0日目術直後の写真は腫れがある状態のため、最終的な結果とは異なる場合があります。

側面写真で見ると、垂れ下がっていた鼻先が矯正され、鼻唇角が小さくなり、鼻筋のラインがとても自然になりました。

術前 / 術直後0日目術直後の写真は腫れがある状態のため、最終的な結果とは異なる場合があります。

斜め側面写真を見ると、鼻唇角が整ったことで口元の突出感(口ゴボ)が改善される効果が得られました。

術前 / 術直後0日目術直後の写真は腫れがある状態のため、最終的な結果とは異なる場合があります。

正面から鼻孔が目立っていた部分が大幅に改善されました。

術前 / 術直後0日目術直後の写真は腫れがある状態のため、最終的な結果とは異なる場合があります。

鼻孔の非対称も大幅に改善されました。

術直後写真一覧

術直後0日目 正面・45度・90度術直後の写真は腫れがある状態のため、最終結果とは異なる場合があります。

術直後0日目 鼻孔写真術直後の写真は腫れがある状態のため、最終的な結果とは異なる場合があります。

総評

今回は、複数回生じた深刻な炎症による拘縮変形を再建する手術についてご紹介いたしました。重度の炎症を経ると、正常組織の損傷は避けられません。炎症によって鼻先の軟骨が溶けて消失し、柔らかい軟部組織が硬い拘縮組織へと変化して収縮することで、鼻が縮み、変形して上を向く拘縮変形が発生してしまいます。

このような鼻手術において、最も優先して確認・治療すべきなのが炎症です。つまり、拘縮変形が急性で進行している場合は、まだ炎症が残っている可能性が高いため、炎症の治療を積極的に行う必要があります。そして炎症が落ち着いた後は、損傷した皮膚組織を回復させる幹細胞治療を手術前に十分に行うことが、最終的に良好な形態を作り出す上で極めて重要です。

また、手術では可能な限り自家組織を使用することが安全性を高める上で適しています。特に鼻先には自家肋軟骨を用いることが適切であり、鼻筋には自家肋軟骨やシリコンプロテーゼなどを選択肢として検討できます。

特に炎症で損傷した鼻先の軟骨を最大限再建することが、将来的な形態変化を予防するための方法となります。また、拘縮鼻の手術は術後に再拘縮が起こる可能性があるため、経過観察が極めて重要であり、6か月後に微細な変形を整える2次手術が必要となる場合もあります。

今回は拘縮鼻手術についてお話しいたしました。拘縮変形でお悩みの方々にとって、少しでも参考になれば幸いです。

カン・チャヨンでした。ありがとうございました。

限界と副作用

自家肋軟骨を使用する場合、肋軟骨を採取した部位に傷跡や痛みが残ることがあり、稀に胸膜損傷が生じる場合があります。また、移植した軟骨が時間の経過とともに曲がったり、一部吸収されたりする可能性があります。

鼻中隔を同時に矯正する場合、鼻づまりが残存または再発する可能性があり、稀に鼻中隔穿孔や嗅覚の変化が生じる場合があります。

共通のリスクとして、感染、出血、非対称、傷跡、皮膚壊死、改善効果の不足などが生じる可能性があり、結果には個人の皮膚状態や過去の手術歴による個人差があります。