こんにちは。カン・チャヨンです。

本日は、口唇口蓋裂の患者様における鼻整形手術の症例をご紹介いたします。

口唇口蓋裂の患者様の場合、先天的な非対称があるため矯正の難易度が高く、完全な対称性を作り出すことは難しい場合があります。

詳しく見ていきましょう。

1. 患者様の病歴

- 生後5か月:大学病院で口唇裂閉鎖術

- 4〜5歳:大学病院で口唇裂閉鎖の再手術

- 小学5年生:腸骨移植(口蓋)

- 中学生時:口唇の非対称を改善

- 14年前:シリコンと耳介軟骨を用いた小鼻形成(左側小鼻縮小、耳介軟骨移植)

2. 患者様のご要望

- 右側の鼻先横の凹みと、ピンチノーズ感(つまんだような感じ)が次第に悪化していることの改善

- 鼻唇角の改善

- 中顔面に立体感を出したいというご希望

- 顔全体と調和の取れた鼻の形

- 非対称の改善(ただし、小鼻の長さの違いによる非対称の限界はご認識済み)

3. デザインカウンセリング

デザインカウンセリングの写真を分析した結果、右側の鼻孔がつまんだように狭くなり、曲がっていて、鼻柱が陥没した状態でした。また、鼻唇角が95度より小さいため、鼻唇角の矯正が必要でした。

デザインカウンセリング写真です。正面、左斜め側面、側面

デザインカウンセリング写真です。鼻孔、右斜め側面、側面

4. 手術計画

1. 顔面部CT画像(元画像)

2. 顔面部3次元CT画像(元画像)

顔面部CTにおいて、右側の上顎(上顎骨)に欠損が認められ、鼻腔内の非対称を確認することができました。

1. 黄色は鼻中隔軟骨、赤色は鼻底の高さです。白色は骨です。写真の左側が、このタイプにおける右側にあたります。

2. 青色は自家肋軟骨による鼻中隔再建と、右側の陥没した基部骨を補填した模式図です。底面の高さが揃い、鼻中隔が右側へ移動してまっすぐになった様子です。

黄色い線は鼻中隔軟骨の形状を描いたもので、赤い線は鼻底の高さを示したものです。写真の左側の部分は、このタイプにおける右側に該当します。そのため、右側の鼻孔底が左側に比べてかなり低くなっているのが分かります。写真の青色は自家肋軟骨を用いて非対称を矯正した様子です。鼻中隔軟骨を再建して弯曲していた部分を矯正し、右側の鼻孔底が低くなっていた部分も自家肋軟骨で満たして改善させた様子です。

1. 右側の基部骨が陥没している写真

2. 自家肋軟骨を用いて補填する予想図です。

左の画像は3次元CTで確認できる右側上顎骨の欠損を示しており、右の画像はこの部位を再建することで改善される様子を示しています。

5. 手術内容

- 以前に鼻中隔弯曲症を考慮せず無理に鼻中隔軟骨へ固定したため、鼻中隔軟骨前方部分の損傷が激しい状態だった

- 自家肋軟骨を用い、鼻中隔を右側へ移動させて縫合固定する鼻中隔部分再建を実施

- 右側の鼻翼軟骨がほとんど残っていない状態だった

- 自家肋軟骨を用いて右側鼻翼軟骨を再建

- 鼻中隔延長術によって形成した軟骨に対称的に縫合固定し、鼻孔の非対称を改善

- 以前の小鼻関連の手術により、右側鼻翼の長さが著しく短縮していた状態

- 軟骨再建のみでは鼻孔形態の改善に限界があるため、鼻孔の内側に軟骨・皮膚複合移植(皮膚移植)を実施

- 鼻孔の左右非対称を可能な限り改善

- 陥没した右側の鼻孔底が、鼻孔の左右非対称や曲がって見える印象に大きく影響していた

- 欠損していた上顎骨の部分を自家肋軟骨を用いて補強

- 鼻孔全体のバランスを改善

6. 術前・術後写真の比較

術前 / 術直後0日目術直後の写真は腫れがある状態のため、最終的な結果とは異なる場合があります。

- 鼻孔の非対称、鼻翼の非対称、曲がり、丸い印象がすべて大幅に改善

術前 / 術直後0日目術直後の写真は腫れがある状態のため、最終的な結果とは異なる場合があります。

- 鼻先の高さがすっきりと持ち上がる

- 鼻根の開始点が自然に下がり立体感が向上

- 自然な直半ラインを形成

- 鼻柱が適度に下がり、鼻唇角が自然に矯正される

術前 / 術直後0日目術直後の写真は腫れがある状態のため、最終的な結果とは異なる場合があります。

術前 / 術直後0日目術直後の写真は腫れがある状態のため、最終的な結果とは異なる場合があります。

- 歪んでいた右側の鼻孔が大きく復元される

- 鼻孔の形が自然に整う

- 傾いていた鼻柱がまっすぐに矯正される

- 鼻孔底のくぼみによる非対称が大きく改善

7. 総評

口唇口蓋裂の患者様の鼻整形手術は、非対称との闘いと言えます。非常に難易度が高く繊細な手術ですが、患者様の切実なお気持ちを誰よりも理解しているからこそ、決して諦めることのできない手術です。

このような患者様の場合、先天的に軟骨の発育に左右差があり、堅牢かつ対称的であるべき骨組み自体が非対称であるため、この骨組みを再建によって矯正せずに皮膚のみを処置しても根本的な解決にはなりません。

そのためノーズラボでは、口唇口蓋裂の鼻手術において、骨を補強し鼻中隔の位置をしっかりと移動させて固定する鼻中隔再建と、鼻翼の非対称を翼軟骨の再建を通じて可能な限り対称に近づける手法を採用しています。

ただし、複数回の手術歴や小鼻縮小の影響により、高さを過度に高くすることはできないという限界があります。皮膚に余裕がなく、繰り返された手術による組織損傷も多いため、過度な変化を求めない判断も必要となります。現在の鼻筋の高さから大幅な変化を望むことは難しい場合があり、鼻先の高さに合わせてシリコンを彫刻(カービング)するため、制限が生じることもあります。

このような場合、非対称の矯正に関してご自身でもある程度限界を認識していらっしゃいました。その代わり、きれいな鼻になりたいということが手術の主な目標でした。鼻先の窪みは改善するものの、反対側のような滑らかな質感を出すのは難しい場合があり、2次矯正が必要になる可能性がある点についてあらかじめご説明いたしました。

8. 結びの言葉

口唇口蓋裂の患者様の鼻整形手術は、非常に大きな挑戦です。しかし、こうした難易度の高い手術を通じて、患者様に新たな希望と自信をお届けできるという点において、大変意義深いものと考えております。

完全な対称性や理想的な形態を作り上げることは現実的に難しい場合もありますが、可能な限り自然で調和の取れた姿に整えることが私たちの目標です。そのためにノーズラボでは、絶え間なく研究を重ね、新たな技術の開発に取り組んでおります。

口唇口蓋裂による非対称でお悩みの方々にとって、本症例がささやかな希望となれば幸いです。専門医とのカウンセリングを通じて、ご自身にとって最も適した手術方法を見つけてみてください。ノーズラボは今後も、患者様の美しく健康な鼻のために尽力してまいります。

カン・チャヨンでした。ありがとうございました。

ありがとうございます。

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限界と副作用

自家肋軟骨を使用する場合、肋軟骨を採取した部位に傷跡や痛みが残ることがあり、稀に胸膜損傷が生じる場合があります。また、移植した軟骨が時間の経過とともに曲がったり、一部吸収されたりする可能性があります。

鼻中隔を同時に矯正する場合、鼻づまりが残存または再発する可能性があり、稀に鼻中隔穿孔や嗅覚の変化が生じる場合があります。

共通のリスクとして、感染、出血、非対称、傷跡、皮膚壊死、改善効果の不足などが生じる可能性があり、結果には個人の皮膚状態や過去の手術歴による個人差があります。